思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

パンダコパンダ

☆☆

押井守だか岡田斗司夫だかが、最高傑作って言ってた気がするから(違ってるかも)借りてみたが、どこが? って感じ。
主役の女の子のおばあちゃんが遠く(実家?)へ帰るあいだ、留守番していると、人間の言葉を喋るパンダの父子がやってくる。女の子の父がパンダで、コパンダの母が女の子、という右翼が聞いたら卒倒しそうな、奇妙すぎる擬似家庭生活が始まる。私でも違和感バリバリだが、まあ、日本史上でも、エライ人にはたまにあるけどねぇ……(^^;)
パンダのデザイン的にも、『となりのトトロ』の原型であることは明らかなので、そういうアニメ史的な観点からは面白いかもしれないが、先入観なしで観て面白いものではない。女の子が感極まると(嫌いな言い方だが、今風に言えば「テンション上がると」)逆立ちしてパンツ丸出しでY字に開脚する、という決めポーズがあるところなんか、『ガンバの冒険』など、70年代までの様式で、さすがに古臭い。
ちなみに、なんでパンダの短編映画が作られたのかと思って調べたら、とうじはパンダブームだったんだそうな。
2話めは、さらに喋る子供トラがやってくる。
仲良くなった後に迷子になって、それを探すうちに、親虎のいるサーカス団にたどりつくと、何故か洪水で町が水浸しになっている、という『ポニョ』みたいな展開に。全然深刻じゃないところも同様。同作の破綻演出は、宮崎駿の責任じゃなかったのか(^^;) 本作は高畑勲が監督だから。
演出の根本問題として、パンダ父子と、子虎は日本語が喋れるのに、サーカスの他の動物は喋れない。女の子だけが動物の言葉が分かるのかと思いきや、他の大人もパンダと会話している。
まあ、『ドラえもん』でも、町の人がドラえもんを見ても大騒ぎしないのと同じ、子供向け作品のお約束としてスルーするしかないのか。
純粋に、アニメーションとしても、『名探偵ホームズ』のほうが数倍面白かったし、よくできていたと思ったけどなぁ。