思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『火の鳥(7)』


☆☆☆★

乱世編(上)
手塚治虫版の『吾妻鑑』または『太平記』である。平家のほうは割と史実に忠実に、源氏のほうは上巻には出て来ないが、義経と弁慶は、だいぶアレンジを加えて出てくる。
清盛が、傲岸不遜な人物ではなく、ひどく人間くさく、すぐに死刑を宣告したりはするものの、現代の我々にも理解できる範囲で描かれている。独裁者が最後に火の鳥の生き血というかたちで永遠の生命を求める、という図式は共通しているので、未完の将来は、ヒトラー編とかもあったのかも。
鳥獣戯画』を作った鳥羽僧正とかが非常に良い味を出している。
また、400年生きたと言われている我王が、ついに死ぬ。