思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

仁義なき戦い

☆☆☆

手持ちカメラを駆使した映像や、勢いだけはある凄い映画だと思うし、公開当時のインパクトも強烈だったとは思うが、現在、観てもそう思えるかどうか、というと別だと思った。
最大の問題は、劇伴の安上がり感。脚本的に、よく言えば群像劇、悪くいえば10分ごとに誰かが殺されてる、という構成で、その度にストップモーションで「○○死亡」とテロップが出て、おなじみの「チャララー♪」というブリッジ曲が流れるのだ。多分10回以上は流れたんじゃなかろうか。のちにお笑いコントで散々流用されるネタになったこともあって、それを見て来た世代からすると、天丼ギャグにしか見えなくなってしまっているのだ。
広島弁も、これまたよく言えば『東京物語』の笠智衆のようでもあるが、当時は笠智衆の演技力もあって、尾道の老人はそんな喋り方なのかなぁと思ったものだが、今回、そうではなかったと痛感。『孤狼の血』を観たせいもあるが、やっぱり本作の広島弁は、標準語なまりの広島弁(変な表現だが)やねん。広島であんな喋り方しとったら、舐められるっちゅうか、バカにされること間違いないわ(´д`)
ながら見ということもあって、どつき合いや拳銃のSEが軽く、一本調子なのも時代を感じさせる。

1973年 日本