思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

最終人類(下)

☆☆☆★

解説にもあるが、下巻に入って、普通なみには面白くなってきた。
主人公が、順に精神階層を登ってゆく、その超知性の描写がみどころ。
ただし、どうにも隔靴掻痒というか、第五階層まで設定されているのに、第三までしか登場しないとか、人類の絶滅の理由の詳細とか、彼女がひとりだけ残った理由とかも、いちおうあるのだが、想像していたよりさらっと流されてしまう。
せめて『ハイペリオンの没落』までは無理にしても、山田正紀の『最後の敵』くらいはやってほしかったなぁ。
超知性種族は基本的に集合知性だとか、肉体を持たないとかも、全然目新しいものではないが、まあ、最低ライン。
ラストはちょっと『マトリックス レボリューション』のそれみたいでもある。
設定そのものは悪くないが、ここから一回りも二回りもブラッシュアップが必要かな。映画でいうならアメリカのテレビ映画(つまりはCないしZ級)レベルの脚本。