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当時、店頭で気にはなっていたが、中身が分からなかったので買えなかったもの。中古M G誌の紹介で、読みたくなった。アマゾンにはあったが、価格が1万5千円とか。なんとか安いやつを探して入手。
読んでみると、ガレージキットのガイドブック。完成見本と原型師のコメントがメイン。味も素気もない四面図的な全身写真が並ぶ、文字通りのカタログ形式。カンなんかは、形状把握がしづらいデザインなので、それがありがたかったりする。逆に、エイトールは、真正面がダサいんだよなぁ……。
半分、天才・谷明氏のとくしゅあみたいなところもある。作品も、エンゲージSR 4、エイトール・スクリティ、そしてエンシー!
何故かエンシーだけ後ろからの写真がないのは何故?
何故と言えば、何故かスクリティとエンシーはパーツ一覧と組み立て説明書が載っている。特に説明がないのは、本書恒例だからなのかもしれない。パーツ分割や、組み合わせを見てほしい、という編集意図なのか? エンシーなどは、ここから背面を読み解くしかない。
谷明特集なので(?)大御所原型師・生嶋氏との対談も掲載。これがまた興味深いもので、原型師デビューから、細部の作り方まで語られている。谷氏にして生嶋氏から気付かされることもあったり。
これまた何故か載っている、ガイアノーツ創世記も模型業界メーカー誕生秘録として読み応えがある。
写真ばかりのスカスカの内容だったらどうしようとおもったが、ファイフマスターのファン、メカ造形に関心のある人なら値段ぶんの満足がある一冊だった。
興味深いのが、これまた谷明原型のヤクトミラージュを新人(?)モデラーが組んだら? という記事。製作記事と完成形を合わせて、そして谷氏自身による完成見本を比較すると、新人の方ははっきりとダサダサのプロポーションなのだ。まるで別冊『センチネル』掲載の、フルスクラッチ1/144Sガンダムの背面写真の初期と後期、くらい違う。それだけガレージ(キャスト)キットの製作が難しいことが分かるのだ。まあ、ガレキの中でも最高クラスにパーツが多い難物キットであることも大きな理由なのだが・・・。