難癖かもしれないが、東京大学卒で、リヨン大学とか、の覆面作家って……、経歴詐称というより、このプロフィールも含めてフィクションじゃないの？ どうでもいいけど。
すぐ分かるのが、『黒死館』と『虚無への供物』そして『月光ゲーム』へのオマージュだ。
特に序盤は黒ことに全体の4分の1を占める序章は、まるごと読み飛ばしてもいいくらい。事件が起こるのも、一章から。
本作は、ミステリの分類としては、アリバイ崩しものと言える。それに伴って、メンバーの推理合戦と、それぞれこ推理で犯人が異なるあたりが『匣の中の失落』つぽいかも。まあ、『毒入りチョコ』とか『戀愁殺』ほか、よくあるタイプかも？
ここの（私みたいにいい加減な人間からすると）堅苦しさは、『木製の王子』を連想させるガチガチの本格テイスト。
