思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

大東亜戦争への道』中村あきら
☆☆☆☆☆
展転社

ハードカバー660ページ。文字級数は最近の大きめな文庫と同じ。大著だが、中身も堂々たるもの。
いつものように重要ポイントを引用しようとチェックしていたら、33箇所にもなってしまった。
ある程度、東京裁判反日史観ではない動画や書物で、基本的な歴史的事実を知っている私ですらそうなのだ。反日教科書とマスゴミからしか近代史を知らない人が、いきなり本書を読む時の衝撃たるや、想像を絶する。
ただし、本書は、小堀圭一郎氏の著作などと同じく、文語体(「こう」が「かふ」とか、「いう」が「ゐふ」)で書かれていることも手伝って、気軽には読めないだろう。
個人的な希望としては、高校の歴史の授業の教科書にして、1年かけて読み合わせするべきだと思う。テストなんていらないから、全国学生が本書を通読するだけで、日本は一発で復活する。

なんとすれば、大東亜戦争が、どういういきさつで引き起こされたのか、本書を読めばつぶさに分かる。
乱暴にひとことで要約すれば「ロシア人の侵略から日本を守るため」である。
日清戦争とは、清国のみならず、韓国上層部を弄絡していたロシアを追い出すためでもあり、日露戦争は、言うまでもない。
そして占領政策後抹殺された不都合な真実の双璧である、尼港事件と通州事件。これらを筆頭に、いかに支那人たちが日本人を襲撃、虐殺、惨殺したか。そしてその裏には、アメリカの半ば公然の支援、そして(本書は『ヴェノナ文書』公開前なのでそこまで触れていないが)コミンテルン(つまりはロシア人・ソ連)がアメリカと支那人たちを使操していた。
それはともかく、支那において、専守防衛ならぬ先守防衛に徹していた日本軍に、いかに支那ソ連軍が条約違反や挑発(つまりは銃撃・砲撃・虐殺)を繰り返したか。日本人が支那に侵出した後から、幾度となく出てくる○○事件という数の多さがこれを如実に示している(授業でテストとなると、こんなのを覚えないといけないと思うと、学生のやる気がなくなるので)。
そして大平洋戦争(本書では、対米開戦すなわち真珠湾攻撃大東亜戦争としている)開戦まで、いかにアメリカが、言を左右にして日本の攻撃を誘ったか。
共産国の常套手段として、自分たちの非道を、相手国のしたことにすり替える、ということがあるが、本書にある史実と戦後教育で我々が習ったことと比較すれば明らかだ。何しろ、本書には当時の数々の当時の記事や支那ソ連アメリカ側の証拠・資料が載っている。
少なくとも、対米開戦までは、ほとんど不可避であったということ、そして日本軍がやったとされる蛮行は、そっくりそのまま支那人及び白人たちに返す、ということがよく分かる。