唐の太宗がいかに皇帝として部下の諫言に耳を傾けたか、数々のエピソードを、現代の会社経営に例えて解説したもの。
諫議大夫としての(やまかんむりなし)巍徴が太宗を諫めたエピソードが満載。どちらも、あまりにも出来すぎていて(だからこそ名君なのかもしれないが)、フィクションくさいが、ホントかウソかよりも、こうすれば良い、というあるべき姿を示した指南書として捉えるならば、それはどちらでも良いことだろう。
「太宗が実力ある賢臣に取りまかれているということは、二代目にとっては、あらゆる点で自分にまさっている者に取り囲まれているということである。その状態で、太宗と同じ統帥力を二代目に求めても無理であろう」
これ、要するに武田信玄とその息子と同じ、ってことか。
帝王学―「貞観政要」の読み方 (日経ビジネス人文庫) 山本 七平 日本経済新聞社 2001-03 |