『いま日本人に読ませたい「戦前の教科書」』日下公人
☆☆☆★
詳伝社
「授業の実に半分は国語を学んでいたのだ。(略)今も昔も、国語はすべての勉強の中心だ。(略)国語力なしには勉強が進まない。」
「「知・情・意」が揃っていることが「徳」の必要条件になる。」
佐藤梯二郎編著『松下幸之助から未来のリーダーたちへ』を読む
基本的には経営者向けの発言を集めたものですが、松下幸之助が、部下(課長や部長などのリーダー)に向けた発言もあるので、そのあたりは参考になりました。
印象に残ったところ
「幸之助は、責任者として大事な心がまえは、「道は無限にある」「やればできる」という強い信念をもつことだとしていた。」(著者の文章より)
「一回目は経験だからな。たいへん高い経験をしたな、しかし、二度くり返したら、きみ、これは失敗というんだぞ。二度と犯すなよ」
「小さな心配は課長が、ちょっと大きな心配は部長が、そしてこれはたいへんだというような大きな心配は社長がせないかん。そのために社長は給料がいちばん高いんだ。(略)だから諸君は、心配事があったらどんどんぼくに言ってくれ。(略)心配するために社長は存在しているんだから」
『ファミコンの驚くべき発想力』松浦健一郎+司ゆき
☆☆☆★
技術評論社
当時でも、パソコンに比べると安価で貧弱なスペックしかないと思われていたファミコンが、どうやってある面ではパソコンを凌駕する面白いゲームを生み出していたのか?
主にプログラマー向けの本だが、ある程度のコンピュータやプログラムの知識があれば楽しめる。
現在から見れば、チリみたいなメモリをどうやって駆使・省略してゲームを動かせるのか?という「ここをこうやれば2バイト稼げるぜ」みたいな開発者の会議の様子が垣間見えるような感じ。
「水平方向に並べられるスプイラトの数にも上限があります。8×8ピクセルのスプライトは、最大で8個まで横に並べることができますが、それ以上並べると一部のスプライトが消えてしまいます。
16×16ピクセルのキャラクタの場合には、最大で4人まで横に並べることができますが、5個以上は並べなれません。(略)一部のゲームではキャラクタを交代で消しながら表示するテクニックを使っています。」
「ファミコンは2+2=4キロバイトのRAM(略)を搭載しています。(略)それにしても、2キロバイトというのは、今となっては恐ろしく狭い領域です。(略)例えば本書は1ページあたり500文字程度です。仮名/漢字/英数字が混じった文章を表現するには、1文字あたり2バイトを使います。500文字を記録するためには、およそ1バイトが必要で、2キロバイトはたったの2ページ分でしかありません。」
「ドラクエでは、ゲーム中で使うカタカナの数を20文字だけに制約しています。(略)魔法の名前の「ギラ」「メラ」「ホイミ」などは、いずれも20種類のカタカナだけで表現できる名前として考えられました。」
このあたりの涙ぐましい努力は、『アポロ13 奇跡の生還』の電流節約起動を連想させたりした。
ファミコンの驚くべき発想力 限界を突破する技術に学べ (PCポケットカルチャー) 松浦 健一郎 司 ゆき 技術評論社 2010-10-29/td> |