クエーサーと混同しそうになるが、別物。とはいえ、ガンマ線バーストは現象の名前にすぎないので、その正体が何か、というのが観測の主題となる。まるで刺殺死体を見て、どんな刃物で殺されたかを捜査するミステリーのようだ。
最新の研究では、ガンマ線バーストの原因は、極超新星爆発。それは、重い星が寿命を迎えて縮退・内破する時に超新星爆発と同時にブラックホール化する際、ガスが上下方向(回転軸?)に絞り込まれて光速近く加速されて放出される現象から発生するものだという。これは、我々(素人)がパルサーとしてイメージずるビジュアルに近いが、継続的な天体ではなく、超新星爆発とブラックホールの生成に伴うものである、というのが特徴。
「弱いガンマ線バーストなら、平均すると1日に1回は起きていて、決して珍しい現象ではありません。」
「分厚い地球の大気を可視光が通るのに、エネルギーの高いガンマ線がなぜ通れないのか(略)、それは、エネルギーが高いと簡単に大気の原子と相互作用をしてしまって消えてなくなるからです。」
「直径2.4メートルの「ハッブル」宇宙望遠鏡は、大気の影響がないので極めて鮮明な像が得られますが、鏡が小さいので集まる光子の数は限られます。(略)光を波長によって仕分けるような観測には、光子の数を必要とします。直径が10メートルもある「ケック」望遠鏡や直径8メートルもある「すばる」望遠鏡のような大面積の地上望遠鏡が必要でした。」
「全宇宙に存在する全ての星が出しているエネルギーに匹敵するエネルギーがガンマ線バーストの爆発の瞬間には出ているのです。」
宇宙最大の爆発天体ガンマ線バースト (ブルーバックス) 村上 敏夫 講談社 2014-03-20 |