思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『ヒッグス』ショーン・キャロル
☆☆☆☆★

その理論から実験設備にまつわることまで勉強できる、ヒッグス粒子/場に関する教科書的読み物。
フェルミオンとかレプトンって何だっけ?となるので付録は先に読んでおいたほうが良いかもしれない。

「地上より重力がやや弱い衛生上では、地上より時計の進みがやや速くなる。(略)一般相対論を考慮に入れないと、GPSのシグナルは徐々に不正確になり、1日も経てばGPSが示す現在地は、正しい位置から何キロメートルもずれてしまうのだ。」
「「粒子」と呼ばれるものは、そうした場の微小な振動だ。」
「「ヒッグス力」が粒子に質量を与えているわけではない。粒子に質量を与えるのは背景で静かにしている「ヒッグス場」のほうだ。」

「大きくなり過ぎた原子核は電気的な反発力が大きくなり、放射性となるのだ。」
だからこそ、放射性物質原子番号の大きい原子ばかりなのだ。

「質量というのはその物体が持つことのできる最小のエネルギーに等しい」

LHCは普通、一周27キロメートルの巨大なリングだと思われているが、実際には8分の1の円をつなぎ合わせた「曲がった八角形」のような形をしている。約3キロメートルの円弧部分が八つあり、それらの間がそれぞれ約0.5キロメートルの直線部分でつながれた構造をしているのだ。」

LHC実験の(略)衝突は毎秒数億回も起こるのだ。これは一秒間に1000個のハードディスクが一杯になってしまうことを意味する。」