思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『piece Gem01 攻殻機動隊データ+α』
☆☆☆★

攻殻機動隊』のイラスト集だが、それに加えて士郎正宗の近況報告というか、プライベートや作品の内幕がいろいろと書かれている。謎の多い作者ゆえ、ファンにとってはありがたい(?)内容になっている。
それはなぜ作者はマンガを描かないのか?(半分は親の介護のため)最近頻発しているアニメ版との関わりやツッコミなど。
文章中に当然のようにお蔵入り企画が出てくるのも、コアなファン以外には不親切。とはいえ、通読すれば、士郎正宗が考えている『アップルシード』と『攻殻機動隊』などすべてが包含された壮大な未来史の片鱗がぼんやりと垣間見えるのが興味深い。
それがアニメやマンガになっていないあたりは、干されていた時期のある押井監督や富野監督を彷彿させなくもない。それを考えると、次々に雑誌廃刊や打ち切りはあってもマンガじたいは発表できている伊藤勢のほうがまだ恵まれているのかも(^_^;)


『零』大塚英志
☆☆

成り立ちや、内容から連想する映画についてはあとがきに書かれている。
よく言えば職人的に手堅くまとめた、悪く言えばやっつけ仕事的な作品。ホラーとしてはベタな展開。生きていれば吉村達也に依頼が行ってた感じである。ちょっと綾辻的にプロットの隙間を埋めればそれなりに説得力か持てた気もするのだが…。