アニメ映画も原作漫画も当時、一度ずつは見ているはずで、内容はおおかた記憶にあった。ただし、三万年前のメカトピアに行く下りは忘れていた。
そもそも、リメイク版『新鉄人兵団』に合わせて小説版の企画ができたらしい。こっちは未見なので、どちらの小説化なのかは不明。そもそもリメイク版にもストーリーに変更がないのかもしれないし。
小説は、基本的に台詞をそのまま拾い、間を説明文で埋めた、という感じ。『ドラえもん深読みガイド』にあったようなトリビア的説明なんかは満載である。ただ、瀬名氏の文章が硬質なので、原作の雰囲気とはちょっと雰囲気が違う。せめて「です・ます」調にするとかすべきだったかもしれない。
日本ロボットSFの第一人者である瀬名氏だけに、独特の解釈があるかと思ったが、これは、というところはなかった。ただし、鏡の世界の店にある食料を食べることについて補足してある点は多少は評価できる。多少、というのは、アミノ酸の左右問題の説明がなされているだけで、どうやって解決したかは放棄してるから(^_^;)
やっぱり、子供向けアニメではお約束として気にならないが、警察や軍隊など、しかるべきところに通報しないとか、地球侵略なのに日本にだけ第一次攻撃をかける理由がない（第二次攻撃は世界規模らしいが）のがこういう硬質な小説だと気になるなあ…。
あと、アイドル・スミレのパートって必要ないやん？なんか無理矢理感動させるために挿入したとしか思えなかった。
