思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『トリポッド(3)』ジョン・クリストファー
☆☆☆☆

山奥に潜んでいたウィルたち自由市民だが、世界陸上大会に優勝すると、トリポッドたちの都市に連れて行かれる、ということで、潜入捜査をするためにスポーツ特訓をする。
比較的あっさりとスポーツも上達し、会場へ向かって出発する。
この道中の困難さが『指輪物語』を連想させるんだよなあ…。モルドールに比べれば、点在する村や畑があるだけましと言えるが、主人公たちがやってることは、洗脳されているキャップ人相手とはいえ、泥棒に、助けてくれて食べ物をたらふくくれた人のボートを奪ったりと、けっこう非道い(^_^;)
ひどいと言えば、主人公に近い登場人物があっさり死んだりと、ジュヴナイルとは思えないハードな展開の連続。これ、ほんとにSFにおける『指輪物語』と言って過言ではないかも…(あちらは「大人のためのファンタジーだが、こちらは子供のための本格冒険SF」)。
トリポッドたちの都市描写もなかなかオリジナリティがあって、なおかつハードSFとしてもしっかりしている。