思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

アオイホノオ(10)』島本和彦
☆☆☆☆

いよいよ大学の課題の3分映画でアニメを作ったホノオ。自主制作アニメの作り方から、他の作品の紹介など、なかなかの無駄ゴマの消費っぷり。極めつけはホノオが観客の無反応に大ショックを受けるシーン。
ところが、『タッチ』の新連載をホノオが知るところ、そして大阪のアホの遺伝子を悟る場面からベクトルが一気にプラスに転じる。このあたりは島本和彦の(島本マンガというより作者自身の)真骨頂と言える。


鉄腕アトム(2)』手塚治虫
☆☆☆

「電光人間」☆☆☆★
ロボット「透明人間」ともいうべき一編。プロローグに4ページも使って石ノ森章太郎のことが紹介されているのが興味深い。

「アルプスの決闘」☆☆☆★
アトムに美を感じる能力があれば…ということで、人造心臓をつけてみた、という話。(アニメ版のみ?)最終話への伏線にもなっている重要なエピソードだ。ケンちゃんの射撃と格闘能力が高すぎるのが問題と言えば問題か(^_^;)

「アトラス」☆☆☆☆
悪い心も持ったオメガ因子を内蔵したアトラスと、彼を発明したラム博士 の物語。ネイティブアメリカン故の復讐心や、オメガ因子があるからこそラム博士の命令も聞かなくなるなど、数々の要素が高密度に詰まった佳作。本作に限らないが、原子爆弾とかが気楽に出てくるあたり、戦後時代を経た現代のほうがタブーが強くなっているのも感じる。