思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『さよならダイノサウルス』ロバート・J・ソウヤー著/内田昌之
☆☆☆☆
ハヤカワ文庫SF

再読。原題の直訳は328ページにあるように『ひとつの時代の終わり』読み終えて内容から意訳するとこの邦題でもほぼ正しい。

とにかく初期のソウヤーはアイデアてんこ盛りで、なおかつ無駄に長いことがない。解説にあるように、主人公の妻とうまく行っていないことについては、別になくても良かったと思うが〇〇〇〇を読者にわかりやすく判断してもらうには役立っている。
タイムマシンの原理についてはさすがに物語の前提としてスルーしているが、読者の予想を超えた常識(前提)にまでSF的説明を与えているのがすごい。中でも恐竜時代に出会う〇〇〇〇の設定が素晴らしい。本作はファーストコンタクトSFと言っても全く言い過ぎではない魅力を備えている。(そういえばソウヤーは現在まで、一環してファーストコンタクトものを基礎に作品を書き続けている作家と言える)

さよならダイノサウルス (ハヤカワ文庫SF)さよならダイノサウルス (ハヤカワ文庫SF)
ロバート・J. ソウヤー Robert J. Sawyer

早川書房 1996-10