思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『百人斬り裁判から南京へ』稲田朋美
☆☆☆☆
文春新書
未来の総理大臣・朋美姫がなぜ政治家になろうと思ったか、いわゆる百人斬り裁判の経緯をノンフィクション風に書いたもの。
やや不謹慎かもしれないが、法廷サスペンスとしても読めるだろう。
その結論は、逆どんでん返しというか、庶民的感覚では明らかに勝訴なのに、敗訴になるというものだ。
裁判所も、控訴審では毎日新聞の虚偽記事については認めているのに、なぜなのか…?
考えられるとすると、(1)戦後教育的エリートである裁判官だから、学校で習った日本の中国侵略(支那事変)は悪いことだと洗脳されたままである。
(2)裁判官に中国政府の手が回っている。(現に稲田氏に中国の映画監督なる人物が接触している)
(3)裁判官に中国の手が回っている人の手が回っている(渡部昇一先生が良く使う言いまわし)
ただ、この裁判をきっかけに稲田氏が政治家になることになるのだから、日本国家のためには吉とすべきなのかも(ある種の天命なのかも)しれない。

そもそも毎日新聞の記事誕生のきっかけはこういうことらしい。歩兵砲部隊である向井中隊には「新聞記者も従軍していたが、第一線までは来ず、いつも記者がなくて困っていたので、冗談を新聞記事にすることは十分考えられるという。向井中隊長が「百人斬りは冗談話だった」と話したことは他の下士官も聞いていた。
 Aさんからみた向井中隊長は、とても潔癖な性格で、正義感が強く部下思いの人だった。」