司馬遼太郎
☆☆☆☆
文春文庫
ついに土佐の国主になってから、いったいどのように剽悍な土佐侍たちを平定したのか。
『風雲児たち』では最後の部分だけがごくあっさり書かれていたのだが、それまで一領具足と呼ばれた郷士的な侍が各地で散発的な一揆を繰り返していた。
それをどのように鎮圧するのか、武威によって国主になったのではないだけに、いろいろな苦労があったのだろうが、そういう人物だけにこんな結果になったのだろう。
平和主義者が悲惨な戦争を起こす、というのを思い出す。
小説の幕切れはかなり上手い。その後を「あとがき」にして書いてしまうあたりが面白いところ。