思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ファイト・クラブ

☆☆☆★

久しぶりに再見。色んな映画を観て、リテラシーも上がって、評価が上がるかな、と期待していたのだが……。
映像とか、アクションとか、映像的にはよくできているのでこの評価だが、本作の主張とか、しかけだけなら☆☆くらいだろう。
この当時から、ブラピがブルース・リーのマネをしているのがおかしかった(^^;)

以下、ネタバレ

最初は軽い方から。本作は、要するにサイコなテロリストの映画なので、主人公には感情移入できない。『ハウス・ジャック・ビルト』のほうが、目的やロジックがはっきりしているぶん、まだ理解できるくらいである。
ファイト・クラブのメンバーのテロ被害に遭う一般人や、主人公の上司が不憫でならない(^^;) テロじたいも、金持ちを狙う、赤軍とか共産各目やん。

最大のネタ。記憶では、それがラストに明らかになるもんだと思い込んでいたが、それが分かってから、2、30分も続いてるいたのか。
当然、その仕掛けを知った上で観ていたわけだが、最大の不満は、このトリックがアンフェアであるのが最大の問題。
要するにブラピは『ジキルのハイド』のハイドなのだが。マーラが来た時に別室から音がしたり、どう見ても別人がいるようにしか見えない。この音は幻聴で、マーラには聞こえていない? でもセックスしている自分を、リアルタイムで別室で聴いている自分??
セラピーの会で出会うマーラも、主人公の分身で、実在しないんじゃないかと思ったくらいだ。ファイト・クラブのメンバーに拉致されたりするので、そうではなさそうだが、ラストで2人きりになるので、あながち間違いではないかもしれない。
もし、マーラが実在するとしたら、本作は恋愛映画ってことになるのでは? 主人公がビッチである女性に惹かれているが、社会的外聞が邪魔をするのを、自分の気持ちに素直になるまでの紆余曲折ってことで。
自分で自分を殴っているのを見て、自分もやりたいと思うやつがあんなにいるなんて、ありえないやろ?!
少なくとも主人公がそうやっているのは、上司とのシーンや、監視カメラで確実なのだが、ファイトクラブの他のメンバーもそうなの?? まあ、自分で自分を痛めつけるからこそ、教祖の元に集まって、教団みたいにして家の世話をするのもうなづけるのではあるが・・・。