思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ビデオドローム

☆☆☆★

ストーリーは、江戸川乱歩的というか、幻覚系。とある地下で拷問、殺人が行われている放送を傍受した小さなテレビ局の社長が、ビデオドロームというその番組に、文字通り取り込まれて行く。
『クラッシュ』もそうだが、何より『エグジット』の監督であるクローネンバーグなので、特殊メイクにのる人体変容が見どころ。
腹に口が開いたり、腕と拳銃が一体化したり。それのみならず、ビデオカセットが脈打ったり、テレビのブラウン管がニューっと伸びて来たりする。特に後者は、今でこそ『アビス』や『ターミネーター2』以降のCGを見慣れているが、それのない時代によく特殊美術だけで表現できた! と拍手したくなる完成度。ストッキングかゴム的なものに投影してるんだろうとは思うのだが……。メイキングが見たくなる映画