思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『逆説の日本史23: 明治揺籃編 琉球処分廃仏毀釈の謎』
☆☆☆☆

いきなり『朝日新聞の正義』みたいな朝日新聞批判が延々と200ページ近く続くので面食らう。これは、日本史からアジア史に置いて、朱子学の影響がいかに恐ろしいものか、と言うことを現代人にもわかりやすく示すため。
琉球の正しい歴史についても、内外の反日勢力に騙されないために、知っておくべきだろう。
廃仏毀釈についても、知っているようで知らないことばかりだった。政府による「神仏分離令」はあったが、「廃仏毀釈令」というのはない。つまり、あくまでも民間による廃仏毀釈「運動」なのだ。

「武士の貢献を絶対に認めたくなかったのが、朝廷や貴族つまり「ケガレ忌避信仰」を持つ人々であった。(略)しかし実際に日本を襲った侵略軍が撃退されたのは事実だ。それが武士の奮戦によるものでは無いとするならば、何か別の理由を考えなければいけない。そこで貴族たちが考えた理屈が「神風」であった。現実の軍事力では無く」
これは鎌倉時代の話だが。

逆説の日本史23: 明治揺籃編 琉球処分と廃仏毀釈の謎逆説の日本史23: 明治揺籃編 琉球処分と廃仏毀釈の謎
井沢 元彦

小学館 2017-10-25