思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『ビックリするほど素粒子がわかる本』江尻宏泰
☆☆☆☆

新書だし、入門書っぽい体裁だと甘く見ていたらとんでもない。そのへんのハードカバー本よりもよほど詳しいし、図解雑学シリーズばりに図が多用されているので、分かりやすい。
本書を読んだ目的である、中間子についてもよく分かった。っていうか、中間子について「陽子と中性子を結びつける」以上の説明が書かれていたのは本書が初めて。
要するに、中性の原子から、負の電子が飛び出ると、原子が正電荷になる。それと同じく、中性の中性子から、中間子が飛び出ると、中性子は正電荷の陽子に変わるのだ(中間子には正負両方あるのがややこしいが)。

クォークの場合(略)ある程度はなすとゴムひもが切れ、切れ目にクォークと反クォークの対の中間子ができる。その反クォークと、引き離したクォークが合体して、中間子となって外に出る。陽子内に高エネルギーの光子を衝突させると、クォークは分離されず、中間子が出る。
クォークが単独で取り出せないのは、N極とS極の対から成る磁石からN極だけを分離できないのと同じだ。」