思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

戦艦大和3000人の仕事』文:青山智樹/マンガ:紗汐冴
☆☆☆☆★

零戦の操縦』の姉妹編。大和をどんな人々が操縦していたのか、平時と戦時の双方から解説したもの。マンガと言っても、各章に数ページ単位のもの。ビジネス書についているものに近い。
乗員が3000人にも及ぶ大和の艦内は、ちょっとした町くらいの規模。そこに潜入すると(マンガはまさしくそのテイストで描かれている)、戦闘艦というイメージからは想像できない景色がある。平和ボケの現代日本人ならなおさらだ。
引用も多数。
「副長の役割は、いわば「艦のメンテナンスの責任者」です。大和においては単なる「艦長の控え」ではなく、大変な激務を伴う役職でした。(略)艦の状態、兵員の状態を把握して、戦闘に入る前には最良の状態で缶を艦長に託します。」
「ヤマトの射程距離は42000メートルでした。例えば東京湾から撃つと、東京都を横断して山梨県境まで玉は飛ぶわけです。」
「夜戦専門の見張り員(略)たちは視力維持のため、ニンジンしか食べさせてもらえなかった」
「海軍ではドイツから導入した有名な「エニグマ暗号機」を使用しており」
「プロペラ(略)の大きさたるや巨大なもので、直径5メートル、暑さだけでも1メートルありました。」
「大和はSLと同じように、蒸気機関で動いているのです。」
「士官は食餌を自費で買います。兵の食餌は支給です。」
「アイスクリーム製造器が館内にあり(略)コーヒー、ココア、チョコレート、桃、桜の実、パインアップル、いちご、りんご、みかん、梨などの味があったそうです。」
「乗組員の平均年齢は(略)おそらく20代前半になります。(略)逆に最高齢は艦長(大佐)の40代です」

戦艦大和3000人の仕事戦艦大和3000人の仕事
青山 智樹 紗汐 冴

アスペクト 2010-03-23