思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『さみしさサヨナラ会議』
☆☆☆

宮崎さんが坊主と対談するのだが、本書の少し前に出た渋い装丁の本と比べると、比べようもなく優しい。専門用語も殆どない。実質的には失恋の「さみしさ」に対する、仏教的な対処法について語ったものだ。
だいたい失恋する年代から、結婚を考える人が対象。

宮崎
「実はワインって、高額になればなるほど、味や香りの差は微細になっていくんです。ほんのわずかな差に何万円の値段がつく(略)それを識別できるよう舌や鼻をとても鋭敏にきたえ上げた人にしか、その価値はわからない。(略)そう考えると、一本二千円ぐらいのワインで充足できる人とどっちが幸福なのか、よくわからない(略)私たちがクロマグロのトロや松坂牛を食するときの快楽と最貧国の人たちがハンバーガーやピザを食したときの快楽は、ほとんど等価ではないか。」


小池
「レコーディング恋愛について改めてまとめてみましょう。
初級者はとりあえず事実だけを書いていって、心理的な状況は抜きにする。中級者になったらちょっと自分の心理状態なども書いてみる。記録することによって(略)これとこれが原因で自分はこのような心理状態になったらしいという因果関係を常に認識する癖をつけていく」

さみしさサヨナラ会議さみしさサヨナラ会議
小池 龍之介 宮崎 哲弥

角川書店(角川グループパブリッシング) 2011-06-30