思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『大戦前夜(下)』
☆☆★

出版社の問題だが、本作は副題にはあるが『ポスリーン戦記1』とすべきだろう。
偵察にいったモソビッチ隊、地球にいるパパスたちなど、本筋には全く無関係なのだ!訳者あとがきによると、本作は10巻ほどのシリーズの端緒らしいので、あくまでもシリーズものの一巻であるという前提で(この後も読み続けるで)読まないと、伏線の未回収問題が気になって仕方ない。
バトルシーンも、せいぜい映画『バトルシップ』くらいのSF的リアリティ、と思って良いだろう。

ちなみに、本書は読まずに済ませるつもりだったが、念のためという意味で、速度(30分)で読んだ(^_^;)


『大戦前夜(上)』
☆☆☆

五年後に宇宙人が襲ってくる。「(銀河)連邦」の技術協力によって、敵に対処せよ。というのが大まかなあらすじ。
スペオペとかハードSFとかいう以前の、ハリウッド映画のような脳天気なミリタリーSFである。
対処方法を検討するのにSF作家を集めるところは『天使墜落』(違うかも)、連邦の技術でベテランを若返らせるところは『老人と宇宙』など、他の作品の影響も……『終わりなき戦い』とか。コンバットスーツで戦うところなど、もちろん『宇宙の戦士』である。
少なくとも、上巻の範囲内では、本作ならではの面白さは特にない。読んで損はないが、トクもなさそう。ことミリタリーSFをいろいろ読んだことある人には、敢えて読む必要もなさそう。