思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『冷たい方程式』
☆☆★
ハヤカワ文庫

『徘徊許可証』☆☆☆
数百年間辺境に取り残された惑星で素朴に暮らしていた村人が、地球帝国からの調査団に右往左往する。彼らが文献から知って、体裁を整えようとしたのが、なんと刑務所と犯罪者、というお笑いコントか、落語そのものの話だ。

『ランデブー』☆☆☆
旅先の船で会った、飛行機が嫌いな老婆。彼女の亡き夫が戦争中、飛行機で死んだ後に約束を破って再婚したことで、上空では幽霊となって呪われるのを避けるため、という(文中ではこういう表現ではないが)。
ラストで、彼女は死んでしまうのだが、実は舞台は未来で、彼女が泊まっていたのは当時の飛行機が飛んでいた高度までの高層ホテルでした、というオチ。

『ふるさと遠く』☆☆
子どもがプールにふるさとで見ていた鯨を呼び出すというショートショート

『信念』☆☆☆★
さすがはアシモフ。抜群の会話文の面白さとリーダビリティ!なぜか空中浮遊の能力というか体質になった大学教授が、自らを認めさせるために悪戦苦闘するドタバタコメディ話。

『冷たい方程式』☆☆☆

『みにくい妹』☆★

『オッディとイド』☆☆

『危険!幼児逃亡中』☆☆

『ハウ=2』☆☆


ワイルド7
☆☆★

日本で銃撃戦やりまくり、ということでパラレルワールドか、『西部警察』的路線というか…。
暴力団の組長、殺人、詐欺など元犯罪者たちによって組まれた超法規的警察バイクチーム・ワイルド7。彼らの活躍、窮地、再起を描く映画。
原作は昔の劇画だが、当然(?)未読。
まず、個性的な経歴のワイルド7チームなのに、最初に字幕で出るだけで、特技や特徴が全く描かれないのが問題。いちおうキャスティングと衣装で、はっきり七人が区別できるのはエラいが。
基本的には、バイクアクションと銃撃戦を楽しめば良いのだろうが、前者はとりあえず及第点としても、後者は乱暴な『踊る大走査線』という感じ。ちょいちょい『ターミネーター』『パトレイバー2』ほか、パロディ/オマージュがあるのだが、それもシリアスな世界観に没入するのを妨げている。
特にラスボス的な当局局長を始め、声が残念なキャストが多いのも残念。音的に言えば、川井憲二の劇伴は『修羅雪姫』とか『美しき野獣』など路線で、実に格好良いのに…。
主役の瑛太は、髪型、顔つきなど、高倉健を優く(「やさく」なんて言葉はないか。優男の意味だけど)みたい。
ストーリーは、あってないようなものだが、何よりも気になるのが、終盤、パーティー(なぜ突然ワイルド7チームとボスがそこに参加するのかが分からないが)で、ラスボスを殺さないこと。ボスが止めるのだが、その理由が微妙。そこで殺すと自分が捕まるから、か?
確かにそこで暗殺すれば、チーム全員が捕まるわけなので、結果的に一人死んだだけで再起できたのはボスの作戦成功と言えるのかもしれないが…。
でも、ボスが指令室にたったひとりで残るのは都合良すぎると思った。
ま、ボスが意外に利己的なのが受け入れられるかどうかの境目かも。
どうせなら、サットとの派手すぎる銃撃戦とかにならず、世間を騒がせずに闇から闇に葬る作戦が立てられなかったものか。ま、それをするとこの映画のテーマから外れてしまうわなあ…。


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