まるで中共や創価学会、あるいはナチスかイタリアのファシスト党か、というのが本書を読んでの感想だ。
宗教と革命家と官僚の悪いところを足したようなのが日本共産党と言っても過言ではない。特に問題なのが、トップひとりが威張っていることと、上層部が自らの誤りを認めないところ。
「新聞「赤旗」(略)の売り上げ(略)約251億円がそれらの販売収入であるが、印刷代、紙代などのコストが約180億円もかかっている。(略)地方の少なからぬ地区委員会では、給与の「遅配」「欠配」というのが珍しくない。「遅配」というのは、給与の支給が一月、あるいは二月遅れることである。(略)一般党員は募金責めにあっている。党中央だけでも選挙募金、年末募金、夏季募金、党本部建設募金などがある。(略)都道府県段階でも、地区委員会段階でも、選挙のため、常任活動家の給与を払うためなど、さまざまな名目で募金活動が行われている。
多くの共産党後援会が、みかん、新巻鮭、もち、アジのひらきなどの販売で資金稼ぎをし、それを募金している。」
何か笑えてくるくらい悲惨な常態である。末端から搾り取る、というのが中共と同じ感覚。
でも、こういうのがあるから、働きもせず日本あちこちを徘徊する、文字通り「プロ市民」なんて活動ができるんだなあ…。
日本共産党 (新潮新書) 筆坂 秀世 新潮社 2006-04-15 |
ダイコンフィルムの裏側が面白い。借金を返せないから、『ダイコン3』をビデオ&8ミリ販売することになった経緯とか。
『タッチ』への文句も面白い。あだちマンガは読んでないけど、まさに島本感想は同感なんだよなあ…。
アオイホノオ 13 (少年サンデーコミックススペシャル) 島本 和彦 小学館 2015-01-09 |
『風雲児たち(25)』みなもと太郎
☆☆☆☆
メインは「公武合体」「和宮降嫁」について。『風雲児たち』で取り上げられることはほとんどそうだが、名前だけは知っているが、内容はほとんど知らない、代表的なキーワードの1つであろう。2万人もの道中に関する話題もすごい。こういうのは、歴史教科書では絶対に教えてくれないエピソードだよなあ…。
「航海遠略策」もその1つ。
風雲児たち幕末編 25 (SPコミックス) みなもと太郎 リイド社 2015-01-30 |
『宮崎駿の「世界」』切通理作
☆
切通理作の本は、作品のあらすじから紹介するので、それが読むときの心理状態や、自分の作品への愛着とシンクロすれば面白いのだが、そうでないと、あらすじの中に紛れ込むように入っている分析を探し出すのは苦痛でしかない。
DVDのオーディオコメンタリーみたいなもんだが、内容は本編でわかるので、解説だけに専念したそれと異なり、わざわざ状況まで説明されるのは面倒なのだ。
いろいろ書いているのでお分かりの通り、今回は後者なのだ。
何よりも先に見てしまった著者と町山智浩の対談のほう(実際は町山氏の独擅場)が数倍面白いので、まともに読む気力がなくなった。深みも全然違う(切通氏のほうが浅い)し。
何より、本としてのバランスがいびつだ。作品紹介で一部二段組みになる理由もよくわからない(1段組みでも内容紹介になっているところもあるので)し、700ページ近い分厚さもそう。
宮崎駿の「世界」 (ちくま文庫) 切通 理作 筑摩書房 2008-10-08 売り上げランキング : 47667 Amazonで詳しく見る by G-Tools |