思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『眠っていた論理力を呼び覚ます18の方法 ビジネス×数学=最強』永野裕之


『日本人のための経済原論』小室直樹
☆☆☆★

小室直樹の資本主義原論』と『日本人のための経済原論』を合本したもの。

前半で気になったのはいわゆる資本主義と、前期資本主義について。前期資本主義の延長上に資本主義があるわけではないのだから、全く別の名前を付けて欲しいところだった。例えば「資本主義と経営主義」とか。

「「事実上の支配行為」とは関係ない。所有権の有無は論理的に判断される。
ここが、資本主義的所有権のポイント。「支配」という事実ではなく、論理によって決まるのである。」
経済ではないが、正に竹島北方領土問題がこれに当たると言えるだろう。そう言えば、韓国もソ連も資本主義国ではない(本書的に言えば日本も)、というのが肝なのかもしれない。

「占領軍は、日本非武装化計画の端緒として、戦時補償(軍需品の納入代金の支払いなど)を禁止したのであった。」
財閥解体や農地解放など並び、GHQがいかに資本主義だの民主主義だの個人財産権保護だのをお題目としてしか考えていなかったかが分かる。


『カタツムリの謎』
☆☆☆
副題にもあるような、カタツムリについてのあれこれを書いたもの(ちなみに後者のほうは、貝殻を作るためのカルシウムを補給するため)。著者が、専門家ではない、というのが微妙な感じだが、とりあえず入門書(カタツムリの入門書っていうのが何かおかしいが)としては十分だろう。
タツムリがナメクジと同類なのは有名だろうが、その協会がはっきりとはしないとか、貝殻には右向きと左向きがある、というのは面白い。
中でもカタツムリの歩行メカニズムが解明されていない、ということ。ある種、尺取り虫的に歩くのかと思いきや、足跡が文字通り点々とつく場合があり、それでは説明できないのだ。

カタツムリの謎: 日本になんと800種! コンクリートをかじって栄養補給!?カタツムリの謎: 日本になんと800種! コンクリートをかじって栄養補給!?
野島 智司

誠文堂新光社 2015-06-05


松本零士の世界』
☆☆
短編集だが、何かどれも同じだなあ…という印象しかない。一番SFとしてもおもしかったのは『大サルマタケ博物史』か。何かが大量に増殖して日常世界を覆い尽くす、というのはSFとしては定番のネタだが、それを食べられるキノコでやってしまう、というのが特徴。

銀河鉄道の夜 (シリーズ昭和の名作マンガ)銀河鉄道の夜 (シリーズ昭和の名作マンガ)
松本 零士

朝日新聞出版 2008-08-20


『日本人のための資本主義原論』
☆☆☆★

二冊を合本したもの。前半は既読で、後半もほぼ読んだ内容(『資本主義のためのゼミナール』かな?)。