『ユージニア』恩田陸
☆☆☆★
角川文庫
宮部みゆき『理由』みたいなインタビューの寄せ集め方式で絵がれた、恩田陸らしい、すっきりしないタイプのミステリー。犯人も中盤に入るあたりで示唆されるので、読者の興味は、動機と、これがミスディレクションとして最後にどんでん返しがあるかどうか、という2点に絞られる。
結論からすると、衝撃のあるどんでん返しはなかった。これ、インタビューを全部取っ払って、犯人と動機だけ書いたら、2ページで終わる。それを400ページ引っ張って読ませるんだから、恩田陸はあくまで小説家なんだなあ…と良くも悪くも思う。