思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

スター・ウォーズ デス・スター(下)』
☆☆★

これだけ読み終えて何も残らない作品もあまりないかも(ま、純文学ならいくらでもありそうだけど、あまり読んでないし)。
改めて、どんな話が読みたかったかと考えてみると、超巨大建造物を作るための資材調達や剛性、応力、破断などのクラーク的なハードSF的な内容だったと気がついた。
つまり本作にはそんなのは全く含まれていない。
デス・スター建造から消滅までの時間軸にいた何人かの帝国関係者の人間模様が描かれているに過ぎない。
さらに終盤には、帝国サイドから見た実質的なエピソード4のノベライズになっているのだ(そもそもエピソード4のノベライズは出てたよなあ…)。
目新しいのは、オルデラーンの前に囚人惑星デスペイヤー(デス・スターはその軌道上で建造された。紛らわしい名前だ)が試射で破壊されていたことだ。こちらは本作のオリジナルか。数発射つにつれて惑星が崩れるのは面白いが、デイヴィッド・ブリンの某SFくらい書いてくれたら、かなり盛り上がったのになあ…。
それとオルデラーンの破壊を民間人の大量虐殺だとちゃんと認識し、悩むデス・スターの砲術士たちの描写は良かったけど。

なお、物語はエピソード4までで終わっていて、第二デス・スターについてはノータッチ。
下巻にだけ膨大な用語集がついているのは片手落ち。なぜ上巻にもつけない?!