思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『言語都市』
☆☆☆★

ペアで同時に発声し、なおかつ意志まで共有する種族で、彼らは嘘はおろか隠喩すら言うことができない。
こんな魅力的な設定を作ったら、『イリーガル・エイリアン』に勝るとも劣らないミステリSFができるのに、そうならないのがなんとももったいない。
いちおう彼らが上述の問題を進化・克服するというある種のハッピーエンドではあるが…。
都市を舞台にすること、交差しない二種の勢力、というのは『都市と都市』と同じであり、作者のテーマなのかもしれない。
ちなみに原題は舞台となる都市の名前である『EMBASSYTOWN』。