思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『彷徨える艦隊(9)』
☆☆☆★

充分に面白いんだけど、ちょっと長いかな…。普通のマージンより1ページにつき2行くらい増やして600ページだから、上下巻にしてちょうどいいくらいである。

平和条約を結んだとはいえ、あの手この手でギアリーの邪魔をするシンディック。
結局は無事帰還を果たし、異星人ダンサー族の希望で地球に向かうことに。それで巻末では到着しているんだから、本作はスピードも密度もたっぷり、ということが分かるだろう。
政治家と軍人の違いや、部下の扱い方など、よりハード/リアルな『銀河英雄伝説』という感じと言える。

本書の165ページでようやくジャンプ航法とハイパーネットそれぞれについての説明がある。9巻になってようやくかい?!という感じだが、それでもジャンプ航法については科学的説明がなされていないのも事実。ハイパーネットについてはSF的にアリだとしても。

なお、421ページの
「「4.5光秒で届くわ」」
とある部分、光秒って距離の単位でしょ!?