思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『となりの車線はなぜスイスイ進むのか』トム・ヴァンダービルト著/酒井泰介訳
☆☆☆★
早川書房
原題は『TRAFIC Why We Drive the Way We Do』で、例によって副題のほうが原題に近い、売るための(詐欺的?)邦題になっている。

中身は、ちょっとくどいし、冗長かな〜。研究論文としては素晴らしいけと。

これは不注意運転に関する米国の世論調査結果だが、日本の原発と自動車事故の関係にそのまま当てはまる。
「一般的なリスクを過大に、自分に対するリスクを過小に、評価しているのだ。」

「人は豊かになるほどより多くの自動車を持ち、より長距離を運転するようになる」

こちらは大型駐車場で店舗に面した空きスペースを探すかどうか。
「人は一般的にどこかに向かうとき、車の走行所要時間は過小評価しがちで、徒歩の歩行所要時間は過大評価しがちであることが、各種調査からわかっている。」

「都市部では(略)駐停車している車が車道を逸れそうになった暴走車から歩行者を守ってくれる。」

「法改正直後からきちんとシートベルトをする人は、もともと最も安全な人と思われる。もともと危険度の高い人たちの装着率は低く、仮にシートベルトを装着したにしても彼らは相変わらず危険なドライバーなのだ。」

となりの車線はなぜスイスイ進むのか?  交通の科学となりの車線はなぜスイスイ進むのか?  交通の科学
トム ヴァンダービルト 酒井 泰介

早川書房 2008-10-25