思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『経済学のエッセンス』小室直樹
☆☆☆☆
講談社文庫

『経済原論』などと同じく、マクロ経済学ケインズ経済学)について詳述したもの。
ひとことで言えば、ヒトラー&シャハト博士が、多大な赤字をものともせず、公共事業によってインフレなき好況を実現した、という事例を示すだけで済むのだが、そこの理屈を述べたのが本書である。
なぜ不況下で、古典派の、労働賃金を下げればよい、という主張が間違いか、という部分は必読。(大雑把に言えば、労働賃金が下がると同時に実質物価が下がるから)