2012-05-28 ■ 『経済学のエッセンス』小室直樹 ☆☆☆☆ 講談社文庫『経済原論』などと同じく、マクロ経済学(ケインズ経済学)について詳述したもの。 ひとことで言えば、ヒトラー&シャハト博士が、多大な赤字をものともせず、公共事業によってインフレなき好況を実現した、という事例を示すだけで済むのだが、そこの理屈を述べたのが本書である。 なぜ不況下で、古典派の、労働賃金を下げればよい、という主張が間違いか、という部分は必読。(大雑把に言えば、労働賃金が下がると同時に実質物価が下がるから)