思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『ほんとうは強い日本』田母神俊雄
☆☆☆★
PHP新書
この本だけ見れば、政治・経済・軍事と、国家にとって最重要の事項について、まっとう・真っ正面のことが書いてある良書なのだが、どれもどこかで他の人(三橋貴明氏とかね)が書いてあることばかりなので、半分減点。
ただし、真の政治家とは、このように、国家の為になること、正しい言説を正確に選択して採用できる人のことである。こういう人こそ内閣にいないといけないのだが…。

「指揮を執るとはどういうことか。トップが現場に対して「あれをやれ、これをやれ」と口を出すことではない。現場がうまくまわっているときは、指揮官は動かなくていい。(略)現場がうまく動かなくなったときに、はじめて指揮官が自ら仕切ればよいのである。」

日本のあちこちの自治体が脳天気にやっている無防備都市宣言について、国際法的にはとんでもない問題を招くことになる。
地方自治体には無防備都市宣言を出せる資格がない」
無防備都市宣言を出せるのは戦争中であり、しかも交戦相手国の占領を受け入れるという前提で成立する。都市単位での無条件降伏である」
「政府が機能しているのに、自治体が政府の意向を無視して宣言を出したとすると、問題になるのが「交戦相手の占領と、その地域を軍事的に使用することを受け入れる」という条件である。
 すなわち「利敵行為」になるため、宣言を出した自治体の長と地方議員、場合によってはその地域の一般市民までもが外患誘致罪に問われる恐れがあるのだ。」


神道と日本人』山村明義
☆☆☆★
新潮社
海外のノンフィクションによくある、多数の取材(インタビュー)で構成されている。あとがきによれば、二百人以上の神職に及ぶらしい。
メモ
民主党ルーピー鳩山は政権交代の必勝祈願に勝手神社に訪れ、宮司に寄付と政権交代したらお礼参りを約束したが、どちらも実行せず。「鳩山氏の虚言癖と「言葉の軽さ」は、神の前でも同じだったのである。
 神の前で嘘をつく人間は、国民に嘘をついても平気なのであろう。」

「禊ぎには現実的な汚れを取り払ってしまう“払拭の原理”がはたらいているとすれば、祓えは現実的に起きてしまったことに対して、何か代替のものをさし出すことでそれを無くしてしまう。つまり、“代替の原理”でおこなうことです。