思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

マスゴミ崩壊』に続くマスコミ批評第二弾。
敢えて批判とは書かない。無根拠な誹謗中傷ではなく、事実を上げて問題改善を訴えた書だからだ。
今回は対談編とでもいうべきか、元毎日新聞、元NHK、元(フジテレビ系?)ディレクターの3人との対談が主になっている。
そこではもちろん、大マスコミが報じない事実が次々に出てくるのだが…。
真のジャーナリストなら、この10倍の人数にインタビューし、同じ分量にまとめると思う。『誰が本を殺したか』や、海外の本(きわめて曖昧だが)のように。ま、本職がジャーナリストじゃないのでしょうがないのだが。
そういう意味では『マスゴミ崩壊』に比べると、☆は半分欠けるかな…。
NHKの立花氏の「地上デジタル=ハイビジョンではなく、もしアナログ放送と同じ画質なら、3倍のチャンネルが放送できるのに、既存のテレビ局の枠(利権)を守るために、そのことを問わなかった」ことは、衛星放送で無意味な番組を垂れ流しているのと同じ原因の、大きな問題だろう。
同じく、NHK受信料不払い裁判で「最高裁で敗訴した視聴者には、振込先を知らせてきた以外、まだ何もしてきていません」というのも、この裁判が単なる他の未払い者への圧力、パフォーマンスであることを証明している。
また、この3者とは全く比較にならないボリュームで、総務省の役人へのインタビューが載っている。ここで、著者はいかに総務省に期待するのが無意味であるかを照射している。
本書の結論としては、民放へも大きな圧力を掛けている(バラエティ番組をつくって視聴率競争に加わっているだけでなく、事実上、金銭的な買収も行われているのだ)NHKを政治家によって解体または一部民営化することこそ、マスコミを改革する最初の一撃である、としている。(それには我々国民が、選挙によってマスコミと戦う政治家を勝たせなければならない)

大マスコミ 疑惑の報道大マスコミ 疑惑の報道
三橋貴明

飛鳥新社 2011-09-22

マスゴミ崩壊~さらばレガシーメディア~マスゴミ崩壊~さらばレガシーメディア~
三橋 貴明

扶桑社 2009-09-17