思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『ナイン・テイラーズ』読了

ドロシー・L・セイヤーズ著/浅羽英子訳
☆☆☆
創元推理文庫
どうも海外の推理小説はかったるくていけねぇ。リアリティというか、小説としてのディテールや、人間ドラマを描くための会話などが、だ。
それじたいが楽しければいいのだが、さっぱり面白くない。例えば召使いのセリフ。「めっかった」なんてのは序の口。何と言ってるのか考えないと分からないセリフが延々と続くのだ。セリフじたいが面白ければ…(以下同文)。そしてそれはトリックの要となる重要証言なんかでは全くないのだ。
教会の鐘をならす詳細は、興味のある人もいるだろうが、やっぱりこれもたんなる衒学趣味。
確かに本作の狙いというか眼目は一部の隙もないロジックでも、驚天動地の大トリックでも、意外な犯人でも(これはちょっとある)ない。
解説にあるように、イギリスの田舎で起こった不思議な出来事、というのが一番適切なのかもしれない。
メイントリックを最大限活かすなら、五百ページもいらん。二百ページもいらんくらいやっちゅうねん。(ね。なまって書かれると読みにくいやろ〜?)