思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

もしかしたら、気づかないうちに凄いトリックが仕掛けてあったのかもしれないけど、普通に読むかぎり、非ミステリです。
柳美里の『ゴールドラッシュ』に似た読後感だったな…。タバコを吸ったり、ヤドカリを焼いたりする無垢というか非情さが子どもっぽい、純文学路線なのかも。
そら、願ったことが叶ったのを、神様のせいにするか、誰かのせいにするかで、純文学かミステリかが分かれるのだが、ミステリというよりリドルストーリーという気がした。

月と蟹月と蟹
道尾 秀介

文藝春秋 2010-09-14