高校の文芸部だった主人公たちと、その後を描いた作品。
法月綸太郎や折原一などを思わせるテイストだが、
あれこれ推理したり、ラストの余韻などは、
いかにも西澤保彦(<タック>シリーズなど)な仕上がり。
敢えて作中でツッコミがあるが、
なぜこんなカタルシスの減る構成にしたのかは疑問が残る。
作者の経験的に、リアリティを重視した結果なのか、
はたまたヒロインの心情を最後に強調したかったからなのか。
(このヒロインも、主にビジュアル面で作者の願望が反映されているんじゃないかとにらんでいる)
幻視時代 西澤 保彦 中央公論新社 2010-10 |