科学のメインストリームではない、13のトピックを書いたものだが、それらが連鎖短篇のようにつながりを持って章をまたいで行く構成が秀逸。
「暗黒物質・暗黒エネルギー」「パイオニア変則事象」「物理定数の不定」「常温核融合」「生命とは何か?」「火星の生命探査実験」「”ワオ!”信号」「巨大ウイルス」「死」「セックス」「自由意志」「プラシーボ効果」「ホメオパシー」
「パイオニア変則事象」とは、探査機パイオニアが太陽系を離れるに連れて計算予測されていた軌道からずれている件。「”ワオ!”信号」とはSETIのこと。「ホメオパシー」とは、数滴の有効物質を入れた水を何十倍にも希釈しても治療効果がある、というアレだ。
アメリカでのSETI計画が民主党の事業仕分けばりの悲劇にあいかけたエピソードが面白い。この件では、いち議員のしわざだったので難を逃れたのだが…。
人間以外の生物でも同性愛的な行動があるというのも知らなかった。
まだ科学で解けない13の謎 マイケル・ブルックス 楡井浩一 草思社 2010-04-22 |