思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

地政学、それは戦後GHQによって規制された、つまりは普通の国ならごく当たり前になされている国家戦略思考である。

日本では現在まともに学問がなされていないので、イギリスで研究しているという著者による入門書。

「日本人は自分で責任を持って戦略を考えるという思考を捨ててしまい、安易に平和的な解決だけを求めるという体質が染みついてしまった。
 たとえば、外交における戦略も「善か悪か」で判断するため、善を探そうとするあまり、次の一手がどうしても遅くなる。しかも、日本が「善かれ」と思って世界に主張したことは、まずもって善として見られていない。他国はリアリズムの視点で「日本が何を狙っているのか」と冷酷に見ているのだ。
 だからこそ、わが国も外交戦略を「善悪」ではなく、「強弱」で見るように訓練しなければならない。」

日本にある3つの選択肢の中で、結論が「中国の属国化」となりそうなのがちょっと意表を突かれるが、現実的かつ敢えて日本人に警鐘を鳴らす意図があるのだ、という微妙なところになっている。(もちろん、自主独立がベストだが…というエクスキューズつき)

“悪の論理”で世界は動く!~地政学 日本属国化を狙う中国、捨てる米国“悪の論理”で世界は動く!~地政学 日本属国化を狙う中国、捨てる米国
奥山 真司

フォレスト出版 2010-02-19


SFファンが主人公のSFということで、なおかつSFを全肯定して物語が進んで行く、ということで『天使墜落』以上に楽しい作品かな…と期待したのだが…。

結論から言うと、同人誌レベルとあまり大差ないものだった。もちろん、登場人物たちの掛け合いは下町小説を得意とする(?)作者らしく楽しいものだったが。

タイプとしては、ハードSF方面ではなく、私に言わせればファンタジー系ばかりが出てくるので、いくら次々に先を読まれても、別に面白くもなんともない。ラノベと大差ないのでは?と思ってしまった。

亜空間要塞 (ハルキ文庫)亜空間要塞 (ハルキ文庫)
半村 良

角川春樹事務所 2000-10