思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『冬のスフィンクス』読了

夢の中の連続殺人事件を解決するという、ありそうでなかった作品。
ご丁寧にも最初は思った通りにメイドが美人になったり、秘密の抜け穴ができたりする。
途中で目が覚めたり、悪夢っぽい展開、フロイトの理論など、一通りのお約束は押さえてある。
私が予想していたアリバイトリックはダミーで、さらにひねりがあった。さすがにそこまで簡単ではなかった。
ただ、夢の事件(と現実の事件)には合理的な解決はつくものの、読後感は幻想小説のそれなんだよなあ…。
あとがきによると、作者の意図通りではあるので、それはそれでいいのかなあ…と思ったり。