思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

第六大陸〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)第六大陸〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)
小川 一水

早川書房 2003-06
売り上げランキング : 166197

確実にカバーデザインで損をしてるだろう、という感じの作品。
『沈黙のフライバイ』や『ストリンガーの沈黙』(沈黙つながりで並べてみました)のようなハードSFなのだが、表紙からは、宇宙開拓ロマン(それはそれで間違いではないが)や人情ものにしか見えないのだ。再販されたクラークみたいな表紙にすればもっと売れると思うぞ。
本作は20年前後の未来、月に恒久基地を作ろうという民間企業のメンバーたちの奮闘を描くもの。
大気圏内ではスクラムジェットエンジンを兼ねるという新開発のエンジンや、1兆2千億円を出す日本企業の存在などの2大フィクションを除けば、概ね実現可能と言っていい話だ。
NASAとの絡み方が絶妙で面白かった。
女主人公ともいうべき妙の存在が、ちょっとラノベ的かな…という感じだけれども。
なぜ上下巻の構成にしなかったか頭をひねる2巻に期待。