思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『ZERO(上)』読了

『宣戦布告』で日本の国防体制のもろさを指摘した麻生幾が、公安を主人公に超リアル謀略小説を書いた、それが本作だ。
冒険小説、ポリティカル・フィクション、あるいはノワールに分類されそうな本書は、読み進むにつれて警察官という一見オモテの世界のようで、決してヤミから浮かび上がれない主人公たちを描いた大作。
1ページ書くのにもどれほどの下調べが必要だったのかを考えると、まさしく瞠目もの。
ストーリーも、最初は登場人物や肩書きの多さに大変だと思うが、次第に引き込まれて来て、後半になるとほとんど一気読み。(と言ってもまだ下巻があるんだけど)

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ZERO〈上〉
麻生 幾
幻冬舎 2003-09