思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『軍師 竹中半兵衛』読了

☆☆☆☆
笹沢左保(角川文庫)
さすがは筆達者の笹沢左保だけあって、時代小説も難なくこなしているのが凄い。
天才軍師という名は知っているものの、よく知らないということで、『直江兼続』『播磨灘物語』などに続いて読んでみた。
立身出世や名声などには全く欲が無く、純粋に兵法のみを追求したというところが竹中半兵衛の他とは違うところ。
信長の妹で浅井長政に嫁いだお市とのプラトニック・ラブについてはフィクションくさいが、まあ小説にはつきものの色づけとしては過剰になりすぎもせず、といったところだろうか。
量産作家の例によって読みやすく、それなりの歴史観もちょっと入っていて、読んで損はない作品だった。既に竹中半兵衛についてよく知っている人が読んだらどう思うかはまた変わってくるのだろうが。