思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ガンダムX(2)

第2話「あなたに、力を…」

狙っているのはガンダムよりティファだと知って、ティファを外に晒して攻撃から逃れる、という機転も巧い。「逆シャア」や「Vガンダム」などこれまでのガンダムシリーズでは、これは卑怯な敵が使うテだったのだが…。主人公があっさりとそれをする、というところが面白い。

ガンダムという“お宝”を狙うバルチャーたちに情報を売る情報屋。同時にいくつものバルチャーに情報を流して共食いをさせるなど、情報屋のしたたかさを描くと共に、荒廃した世界観をも描くという一石二鳥の構成。

2話めにして究極の兵器・サテライト・キャノンを見せているスピーディーさ。ロードムービー的な、のんびりさがある「GX」だが、実はけっこう序盤からテンポが早いことに気づいた。

ウィッツもロアビィもトニヤも、どれもこの時点から性格が固まっている──というより最後まで変化していない──演出のしっかりしたところもいい。唯一変化するのはティファくらいか。

サブタイトルはバルチャーのMSや艦隊に包囲された時、サテライト・キャノンを起動させるべくティファがガロードに言った台詞。

サテライト・キャノン呼び出しの神秘的な音楽を始め、サブタイトルコール、アイキャッチなども全て1話と違う曲であり、樋口康雄氏の素晴らしい音楽は、この2話で真骨頂を表わしていると言っていい。音楽の流れている時間もかなり長めだし。