思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

パンズ・ラビリンス』☆☆☆★
ギレルモ・デルトロ監督。邦題は英語版タイトルの直訳(というより単なるカタカナ表記?)で、メキシコ原題の直訳だと「姫の迷宮」になるのかな。
以前に読んだあらすじからは、てっきり主人公の少女が迷い込んだ迷宮での大冒険が描かれる、『ラビリンス』とか、デルトロなら『ミミック』みたいな話かと思っていたら、全然違った。
物語のベースはあくまでも現実で、母に連れられてスペイン軍の大尉の元にやってきて、現地人ゲリラとの抗争に否応なく巻き込まれる、という話。
その合間に、少女が実は失われた王国の姫であり、それを証明するための試練を断続的に3つ潜り抜けなければならない、というもの。毎回家に戻ってきて、その間にゲリラとのやりとりが描かれる。
スペイン軍とゲリラとの戦いがこれまたハードで、普通の戦争ものと全く変わらない。それの合間にド・ファンタジー(デルトロなのでちょっとグロめだが)な少女の物語入る、歪な構成の映画。
普通の感想としては、誰にも感情移入できないのが問題かな。基本、子供嫌いなので、2つ目の試練で「食べてはいけない」とされていた食卓の果物を食べる時点で完全にダメ(^_^;) めちゃ貧乏で常に空腹だ、という設定ならともかく、普通に衣食住足りてるんだし。
1つ目の試練で、デカイダンゴムシが洞の内部を這いまわっている描写がグロくて良かった(^_^;) 本当はゴキブリとかにしたかったが、『ミミック』でやったから別のにしたのかな。

2006年 メキシコ