思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『レッドストーム作戦発動(下)』
☆☆☆★

ソ連NATOの全面戦争の行方は?
細かいディテールは本作の魅力なのだが、この下巻は、全編それなので、映画なら画面の迫力(アクションと、兵器そのものの魅力)でそれだけでも楽しめるのだが、文字だけだとさすがにどうでもよくなってくる。このあたりは、『スター・ウォーズ』の小説が映画の半分も面白くないのと同じかも。
結末が、いわゆるガチンコ対決の果てではないのも消化不良な要因。ある意味ではリアルなんだけど…。
停戦合意のプロセスがいかにもあっさりしすぎているのも尻切れトンボの要素。ここまでの大戦(1ヶ月あまりで死傷者は双方で一万人規模では?)米ソ共に、講和条件の世論も含めた駆け引きこそ重視されるところの筈だろう。前線の戦闘シーンを削って、最高司令官である大統領(そう言えば英米の首脳は一切出てこなかった?)らの政治的判断の苦悩や、終戦条件などが2割くらいあれば文句なしだった。
アイスランドのくだりは、やはり読者に媚びたロマンス要素でしかなかったか(´д`)