思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

木星買います』
☆☆☆★

アシモフの短編集。例によって、執筆当時のエピソードがエッセイ形式でサンドイッチされているのが楽しい。
テレビの映画放送の前後の映画評論家の解説や、『世にも奇妙な物語』のタモリのナレーションみたいなもんか。
アシモフの短編集を何冊も読めば、半ば自伝のようにも読めるのが面白いところ。
このタイプの本は、傑作選というより、落穂拾い的な感じもあるが、編集者によってボツにされたことのある作品でさえ、決して駄作ではない。
アシモフレベルの作家にしても、どんな作品でも即採用されるわけではない、ということがわかる。雑誌や編集者のセンスによって、採用・不採用の差は生まれるのだ、ということが垣間見えるのは、作家志望の人にとっては心強いかも。