思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『ビフォア・ウォッチメン ミニッツメン/シルク・スペクター』
☆☆☆★

『ミニッツメン』☆☆☆☆
ミニッツメンって、民兵って意味だったのね…。もちろん終末時計とのダブルミーニングだろうが…。
絵はポンチ絵みたいなのだが、背景やパースもしっかりしているし、何よりマンガとして元祖『ウォッチメン』と同じ複雑な構成で読みごたえがあるのが良い。
大雑把に言えば『ウォッチメン』と相似形になっているのが最大の特徴である。同作が最後はオジマンディアスに収斂したのに対して、本作では(同じ位置にいるキャプテン・メトロポリスではなく)フーデッド・ジャスティスに収斂する。
ただし、『ウォッチメン』に比べてわかりづらいのが、やはり絵がショボいこと。本作のキーともいえる中盤の潜入シーンで、フーデッド・ジャスティスが拘束しているおっさんが誰なのか、よくわからないのだ。誰でもないのか、コメディアンなのか、メトロポリスなのか…。コメディアンなのか??
そもそも、真面目に描いてみると、フーデッド・ジャスティスってどうみても悪者ルックスだよなあ…。スポーンみたいだし。逆に、お笑いみたいにショボいモスマンが意外と良い味出している。
終盤の自由の女神でのバトルも、日本人の描き方に大いに不満はあるが、エピソードとしてはなかなかスペクタクルで面白い。


『シルク・スペクター』☆☆☆
アメリカ当時のヒッピー文化を描いた青春物語。可もなく不可もなく、という感じ。絵じたいは『ウォッチメン』と同じく、しっかりはしているのだが。

ビフォア・ウォッチメン:ミニッツメン/シルク・スペクター (DC COMICS)ビフォア・ウォッチメン:ミニッツメン/シルク・スペクター (DC COMICS)
ダーウィン・クック アマンダ・コナー

ヴィレッジブックス 2014-02-28

『ドイツ軍戦車』
☆☆☆★
タイトル通り、主な第二次大戦中のドイツ軍戦車の写真集。一号からケーニクスティーガー、マウスまで紹介。戦場のスナップより、ろかく車両など、あくまでもディテールがよくわかる写真ばかりなのが良い。これでヤークトティーガーとかヤークトパンサーとか突撃砲とかも載せてくれれば完璧だったが…。
当たり前だが、戦車じたいの持つ大きさ、鉄板を張り合わせて作ったような無骨さは1/35とかのプラモを見ているだけでは分からない量感が分かるのが良い。
そうは謳っていないが、キャプションからは、模型製作の資料として編集されていることが分かる。

ピクトリアル ドイツ軽戦車 PANZER臨時増刊ピクトリアル ドイツ軽戦車 PANZER臨時増刊
平田典比古

アルゴノート社 2000


RPGスクール』
☆☆☆★

SFミステリー。『みすてりあるキャラねっと』が一番近い雰囲気。
バトル部分は可もなく不可もなく、というかはっきり言って大したことない。ここは単なる趣味…かと思いきや、最後の謎解きに至って、推理の手掛かりとして浮上して来るなど、意外にもしっかり本格している。ただし、『極限推理コロシアム』など、若手っぽい雰囲気にも満ち溢れている(隠しようがない?)。
そもそも超能力の存在が前提とされているSFミステリーなのに、さらにRPGのシミュレーション的な閉鎖空間に放り込まれる、という二重の作品内限定設定を把握しないといけないのは、真面目に推理するには少々面倒かも。まあ、どちらもマンガやフィクション、というより現実でもよく聞く馴染みのあるものなので、ハードルは低いほうなのだが…。
そもそも、タイトルがゲーム『RPGツクール』のパロディというのも、分からない人も多いかな??
さらっと読めて、伏線に基づく謎解きがある、という意味ではコストパフォーマンスは高いかも。

RPGスクール (講談社ノベルス)RPGスクール (講談社ノベルス)
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